ふいに空気公団の「見えなくてもわかること」のメロディを思い出した。心臓がぐわっと掴まれるような気がして、果てしない青、光。ヘッドフォンからはWANTED!の第2回・エリック・ドルフィーの「バロン」、歌舞伎町のコスプレ・全学連のコスプレ。人生とは乖離だ。いまでも空気公団の曲名を見るだけで胸が騒ぎ、身震いするというのに、くだらないギャグに笑い転げながら鼻をほじり、屁をこいている。その耐え難い裂け目をずるずると引き延ばしながら、視点がさらに遠く、裂け目が遠のいていくようだ。そしてそれは矮小さに過ぎなくなる。無数にあいた裂け目、すべては白く、霧の中に包まれたまま。