Franco D'Andrea/Airegin

部屋の隅で埃を被って黴臭くなって横たわっているCD多数。いかに私が「買った時点で満足」する人間かが如実に表れていて、雑然とした部屋の中にぽつねんとし、ははと笑えもせず途方に暮れる毎日。朝起きてすでに暮れているなんて。心なしか蝉の声が速くなってません?一瞬おれの耳がおかしいのかと思ったよ。鳴き急いでいるなあ蝉たち。ぼくは相も変わらずこうして途方に暮れるようわっ畳が黴臭えなあ。
埃と黴を取り払い、久しぶりに取り出したFranco D'AndreaのAiregin。なんでこんなよくわからない人のCDを買ったのだろう。そして無為に埃と黴にまみれさせているのか。ろくに聴かないくせに衝動買いすっからだ。ドラムスにRoberto Gattoがいる。そうだFranck Avitabileのアルバムで鋭いドラムを叩いていてこの人つながりで買ったのだ。買った当初は何だか冷めてる演奏…とか思っていたのだけど、なんのなんのトリオの連携がよろし。間を重視した落ち着きとリラックスの演奏だと思いました。これは手もとに残す。
http://www.francodandrea.com/
http://www.jazzitalia.net/recensioni/airegin.asp(試聴)
モンクやソニーロリンズなどを演奏しているが、どーも全体的なフレイヴァーとしてトリスターノ臭い。リラックス加減というか、アブストラクトさが。でもそれだけでもない。風通しの良い真の寛ぎが垣間見られたり。トリスターノ発リーコニッツ志向、みたいな?。ベースが力強いので現実の音場に引き戻している。
後半に固めてあるメンバーのオリジナルが特に良い。8「My Dear One」はベースの人Giovanni Tommaso作だが、スタンダード曲かと思った。美旋律をベースが奏で、ピアノもドラムも叙情的な雰囲気につとめ、さり気ないけど名演に。