Marlena Shaw/Who Is This Bitch,Anyway

Who Is This Bitch Anyway

「free soul」というクラブミュージックの人気コンピ・シリーズがあるらしく、Marlena Shawが取り上げられ「free soul-A Classic of Marlena Shaw」と銘打って発売された。試聴してみたら、カッコいい!ソウルフルなボーカルとコッテリ感たっぷりでグルーヴィなサウンド。こりゃあイイなあと思っていたら、マリーナ・ショウの最高傑作と評されているこのアルバムを発見した。ぼくはこんなアルバムを待ってた!
男女がバーで話すところから曲がはじまる。英語はまったくわからんのだけど、不幸な男が不幸な女にしつこくつきまとっている?のかな。アウトしていって16ビートの軽快なナンバーをマリーナ・ショウの強力なボーカルが引っ張っていく。2曲目の「You Taught Me How To Speak In Love」は菊地WANTED!で聴いた。例の、サザンの「いとしのエリー」のまんま元ネタってやつ。で、イイのが「Feel Like Makin' Love」。しっとりと1コーラスを歌い上げてから、マリーナがグッと導くと、グルーヴが生まれるんだ。これが、凄く良い!すばらしい。何と言えばいいんだろう、ぼくにとってこのグルーヴは、失われたアドレセンス。失われた街の風景なんだ(そうだ、空気公団みたいな)。保留なしにカッコいい、と言ってしまう。
もうひとつ、「Loving You Was Like A Party」。これも最高だ。文句なしにグルーヴィ。タイトなリズム隊と左右のギターが何とも言えず、ま、グルーヴィ!!ラストのマリーナのソウルフルなシャウトが最高にカッコいい(もうなんか、これしか言ってないですね。カウボーイビバップ劇場版のエンディング曲はもしかしてこの曲が元ネタになってるのかな?)。
最後の「Rose Marie」という、この時代を表徴するような(ちょうどベトナム戦争後の頃)ピースフルである意味退廃的な曲でアルバムが終わる。30分少々だけどアルバム一枚が濃密で、一曲一曲が輝きに満ちている。「ある時代」特有の空気を有しているとはいえ、このアーバンなサウンドはぼくの心を(優しく舐め上げるように、激しく爪を立てるように)かき回す。この時代のファンキーでグルーヴィな曲をもっと聴いて、時代背景を理解してから、きちんと評することができるようになればいいなァ。