今朝、菊地さんの古い家にお泊まりした夢を見たことをいま思い出した。
いま、ぼくは彼の著作「歌舞伎町のミッドナイト・フットボール」の、シュトックハウゼンに関する真面目くさった狂った文章を読んで笑いながら、唐突に思い出したのだった。彼の広い部屋のことを。彼の弟がぼくに乞うて、その部屋に行ったのだった。部屋の真ん中を仕切るように置かれた机の上には、数々の小説や漫画、雑誌が乱雑に積まれていて、菊地さんはそれを浴びるように読みながらインスピレーションを得ているのであった。ぼくは、やっぱり天才は違うや…と思いながら広い階段を降りていったのであった。夢の中の菊地さんはとても穏やかで、ジェントルだった。他にも夢を見た。