Brad Mehldau Trio/Anything Goes

Anything Goes
ブラッド・メルドーの新譜「Day Is Done」が買えないので、指をくわえながらこちらを聴く…(Helge LienやらJeff Hamiltonやらをひょいと買っておいて何をもったいぶるか…やはり新品と中古では気の持ちようが違う…というわけでもったいぶる)
だがこちらもただ指をくわえて聴くには勿体無かろう。磐石たるピアノ・トリオ。冒頭の「Get Happy」にいささか肩透かしを食らうけれど、その萎縮と空転たる現代感覚から一転、続く「Dreamsville」や「ニアネス・オブ・ユー」など、バラードをやらせればもう数多のピアノ・トリオがひれ伏すもの凄い強度を持っている。広がりと深み。彼がレディオヘッドの曲を採り上げ、自らの混沌と対峙することの意味が、そうやって明らかになっていく。「Smile」の不協和音、湖の底のような重み、静けさに「癒し」を見ても卑猥ではあるまい。我々はその拭われない哀しみを纏いている。
ウーン、新譜が楽しみだ。そしてぼくは、「Largo」が大好きだ!!