内田樹/「おじさん」的思考

                              

「おじさん」的思考

「おじさん」的思考

ぼくは内田先生の文章が好きである。というか、サイトの文章を折に触れて拝読していたのだけど(http://blog.tatsuru.com/)、観点が鋭く、しかも理屈っぽくガチガチしたところがない。しかも、文章に「権威」が無い。自立した文章だと思う。
なぜ内田先生を悪く言う人がいるのか今ひとつ理解に苦しむのだけど、まあ世の中そういうものなのだろう。単に社会的影響が強いからかもしれないけど。自分を「おじさん」として定義してしまっているところが云々…という批判が見られたりもするけど、ンまあ、気にするほどのことじゃないけどね。
先生は仏哲学を専攻してらっしゃるので哲学的な文章が並ぶけど、読みやすくそれでいて考えさせられる濃い内容になっている。先生の文章の凄いところは、固定的なものの見方の中から新しいものの見方、あるいは「物事の本質」と「それを社会と自分の中で折り合いをつけていく」その視座を我々に提供してくれるところだと思う。頭の固くなっている人ほど(まあそのうちの一人はぼくですね)読んだときに効能があると思う。


ちなみに先の大峰山騒動について書かれた先生の文章、およびリンク先を貼って批判したことに対してはぼくはほぼ全面的に賛成である。先生の行動について批判をした人達はぼくとしてはやはりちょっと間違っていると思う。