Darling/Mathias Landaeus

前作の「Blabete」に続くMathias Landaeusのカルテット作品。全曲Landaeusの曲なのだけど、佳曲揃いで、2. Darlingと4. Children's Waltzが最高に良いです。アルバム全体として地味なフレイヴァーが、この2曲にゆったりとした流れと懐の深い音の広がりを与えている。モダン・ジャズを彷彿とさせる素朴な旋律と、スウェディッシュなのっぺりとした風合い、その濃淡の微妙な混じり具合が耳に心地よく馴染むのだ。この2曲のために2000円ちょっとなら少しも金を出したという気にならないだろう。近年稀に見る名曲、とぼくは思います。
テナーのKarl-Martin Almqvistが良い仕事をしていて、テーマを飄々と吹いていく。それに合わせて口笛を吹いてみると、何ともじんわりと心にしみるものがある。音楽はやっぱりこうでなくっちゃな、と思う。Landaeusが旋律に込めたのであろう、北欧の淡く静かな生活の香り。