Electra/Arild Andersen

何度も試みたが言葉が出てこないので、印象だけ。
深淵。東洋的な旋律・音とエレクトロニクスのポストモダンな融合、ツイン・ドラムスとツイン・パーカッションによる多重リズム。うーむ、癒しです、これは。何ひとつ解決されない歴史の重み、繰り返し。過去と未来の並列化・均質化の地平において検証されるその深淵は、内奥の計り知れるはずも無く。ひたすらECM的ピュアで実は粘着的でもあるような音の雫たちをぼくは変態的にいつくしんでいます。何たる癒し…。ぼくは時代のカタルシスを覗いに、これからNils Petter MolvaerJan GarbarekECMあたりを探りたい気持ちでいっぱいになっています。「Solid Ether」や「In Praise Dreams」が無性に聴きたい。
幻想的かつ壮大なスケール感、といったものが、宇宙的な空間に飛散するのではなくあくまで土に染み込ませようとするところに、安定感と土着の文化感の微妙な交配を見出す。

エレクトラ