ミサ オープニング

ヒマなので、Youtubeで楽しくマイルスのネフェルティティの頃の音源を聴こうと思ったら、何をどう間違えたのかアンディー・メンテの懐かしい動画を見つけた。

やばすぎる…マジでかっこいいです。
この動画で『我が名はダナエ国王子 マクベス 父の仇 エウテルペの名にかけて このメフィストがとる』と男性のナレーションで言っているようにきこえるんだけど、そうなるとマクベスメフィストなの?というのが長年の疑問であった。あれから幾星霜、幾つかのサイトを見て回った結果、どうやら『父の仇…』から以後はメフィストの言葉であると考えて良さそうだ、ということがわかった。つまり「我が名はダナエ国王子マクベス!」このシーンはマクベスで、「父の仇。エウテルペの名にかけて、このメフィストがとる!」というナレーションとともに死体(死んだ父か)を見下ろしているのがメフィストだ、ということになる。声が一緒なのでこんがらがってしまったわけです。これが確認できただけでかなり長年の疑問に「そうだったのか!」という強いブレイクスルー感があったのだけど、さらにその背景が整理できるようになるのである。といっても多分に憶測をはらむのだけど…(この不安定感はアンディー・メンテの提出する世界観そのものに由来すると思うので仕方ないといえば仕方ない)
 
地球の中心核に存在する「ヒルトン炭坑」において見つかったのはガニメデ・シシのロストメモリー、それがもたらすノーストリリアの技術力、そしてその極点である「悪魔のミサイル」。そこへ到達したオクタビアンとマクベスメフィスト(オクタビアンが最初にロストメモリーに触れるが、この3人が恩恵を受けたと考えるか?)。
「元エウテルペ執政官」であったマクベスが、どうやらメフィストの父であるエウテルペの王サイモン・カカオマスを殺し、その仇を討つためにメフィストが悪魔のミサイルによってエウテルペを滅ぼそうとする。というのがこの動画冒頭にある『ヒルトン炭坑より発見された大いなる力によって2人の男の友情が引き離された』という言葉の内容だと思うんだけど、なぜマクベスメフィストの父を殺し(メフィストを挑発する意図があったという説明があるのだが、では何故?)、そしてなぜメフィストは父の仇をとるために自分の一族を滅ぼそうとするのか。という矛盾が存在するんだよね。
もうちょっと見てみよう。マクベスはダナエ国王子であり、国王はダグザ・ダナエ。このダグザ・ダナエはエウテルペに対抗するために国をつくり自ら王となるのだが、「八ノ地教」という宗教の教祖である。この八ノ地教、主神はガニメデ・シシ。ガニメデ・シシはノーストリリア最後の生き残りであり、前述の通りノーストリリアの科学力と知識を自らとともにヒルトン炭坑にロストメモリーとして封印する。それと共に「メモリー・バンクを通しあらゆる時空間に偏在する」ことで「擬人化した神」となるのである。ところでもうひとつ、ガニメデ・シシを主神とする「シシ教」という、天界人によってつくられた宗教があり、八ノ地教は人間がシシ教を真似てつくったものだとされる。でシシ教はノーストリリア〜エウテルペで信仰され、八ノ地教はノーザンバランドで信仰されていく。そもそもノーストリリアとノーザンバランドは対立しており、ノーストリリアは自ら作った悪魔のミサイルによって滅ぶわけだが、この時点(ガニメデ・シシ存命中)ではその対立とは単に拮抗する国同士の力関係であったのが、時を経るうちに同じ神より生まれたシシ教と八ノ地教はその理念が両者真逆になり、「ノーストリリア―ノーザンバランド」という対立を下地にシシ教信仰のエウテルペと、八ノ地教の国ダナエとの宗教間の対立という構図が浮かび上がってくるのだ。
これを踏まえると、元エウテルペ執政官のマクベスは敵方の首を取ったことになり、これはメフィストにとっては二重の裏切りである。『2人の男の友情が引き離された』というのはこれである程度納得がいく。
…とまあ、ここまでは良いとしよう。マクベスの行動についてはちょっとわからない部分がたくさんあるので(そもそもノーストリリアマクベスによって2度滅ぼされている?)、片手落ちの感は否めない。
ここまで書いて、なぜメフィストがエウテルペを滅ぼそうとしたのかがわからなくなってしまった!たぶん、憎しみは自分に返ってくるんだよ、引き換えに大事なものを失ってしまうんだよ、というようなことなんじゃないかなとおぼろげに思っているのだが…。
いやあ、楽しいなあ笑。アンディー・メンテのこの独特の世界観、大好きです。とはいっても全然コアなファンではないのだけど。物語もさることながら、音楽も大好き。「Hebi the Hebi」とかね。そうそう、大事なことを書き忘れた。動画の後半に映っている女性はエリス・シシといって、ガニメデ・シシの娘。そしてメフィストの妻。メフィストが悪魔のミサイルでエウテルペを滅ぼそうとしたのを自らの命と引き換えに阻止した。ガニメデ・シシより悪魔のミサイルを止める緑の石を受け継いでおり、彼女の魂は転生し、そのつど殺されたり、MEGIHAの解放を遅らせたりしている。動画の最後で、彼女は言うのである。『さよなら メフィスト』。