何か言う2010/01/05

何も言うべきことがないので、何か言ってみる。最近は村上春樹の「遠い太鼓」を、小さなチャプターごとに5ページくらいずつちまちまと読んでいる。19か20歳ころに確か読んだが、そのときよりも遥かに、まるで洗いさしのコンタクトレンズをつけたように、そこに書かれていることが、何が書かれているのかがよく理解できる。何もせずただ歳を取っただけなのに(まともな職についてもいなければ芸も無ければ能も無い)こんなによくわかるのだ。自分はいったいどのような人生を送れたのだろう、ついそのようなことばかり考えてしまう。考えるな、忘れろ、死ね、死んでしまえと頭を振る。思えば旅にあこがれつつ旅に焦がれつつ、旅などしたこともなかった。車を駆ってどこかに行ったことはあるが、それは旅とは言えない代物だ。コンビニエンス・ドライヴ。ある種の不条理すら受け入れる必要がある旅、そういうものが自分にも必要だったのかな、と本を読みながら思う。何か、すべてが遅すぎる気がしてならない。それともはじまってすらいないというのか。言えるのだろうか。そんな甘っちょろいことが。
「辺境・近境」の文庫本が500円とお手頃なので注文する。アマゾンではなくセブンネットショッピングで。コンビニエンス・ショッピング。自分に必要なことは本を読むことでもなければブログに駄文を刻むことでもなく、自分の足で歩くことだ(そういや靴の夢を見た)。そういう思いを隠して、自分は(もしかして人々は?)金を支払ってその対価を得ようとする。金で買えない価値がある。そう口に出してしまえば、金で買えないものなど無い。
 
あとElisha La'Verneの「I May Be Single(Ocean Breeze Radio Remix)」が良すぎて仕方ない。毎度のことだが、いくら出しても全然おさまらないよ!状態だ(覚えている一番古い記憶は、ファイナルファンタジー6の8mmシングルに収録されていたチョコボのテーマのリミックスヴァージョン。ノストラダムスに怯えて眠れぬ夜に幾度と無く聴き返した。それでリミックスバージョンに弱いのかなと思う)。