NTT東日本のCM

観ました?野球少年が父親に向かって、「ぼくもイチローみたいになれるかな?」と聞くんだが、それに対して父親は思いつめた表情で、「なろうと思ってもなれるもんじゃない。でもなろうと思わないと何にもなれない」なんてなことを答えるわけです。これかなりキてますよね。子供なんかには「がんばればお前もイチローみたいになれるぞー。はっはっはっ。さ帰って飯食うか」って言っとけばいいのに、それすらもう言えない。少し前までは「信じれば夢は必ず叶う」って言ってたのが「信じなければ夢は叶わない」に変化している。この変化は微妙ですがかなり大きな社会的転換だといえるかもしれません。どっちがいいかは一概に言えないと思うけど、現代の親が置かれている状況ってのは、たぶん本人たちが思っているよりも相当タフなのかもしれないと思いました。
「なろうと思ってもなれるもんじゃない。でもなろうと思わないと何にもなれない」なんてこれ、自分に言い聞かせているもん(昔から子供に言うことで自分の思いを表現するというあり方は存在したけれども)。夢がない社会だ、と騒いではいたものの、自分自身が夢とは何だったのか、子供に夢を提示できない。という事実に直面して絶望している。子供にすら夢という直接的なモチベーションを与えられない無力感。という感じが伝わってきて、ヒリヒリしました。このCMがどのくらい共感を得ているか、でしょうね。