山中千尋「Madrigal」

http://info.hmv.co.jp/p/t/1865/729.html

 
ここでは初のジャズ・レヴューとなります。
ぼくはジャズと一部のJ-POPが好きなのですよ。
ではさらりとご紹介だけ。
 
澤野工房から颯爽とデビューした山中千尋さんです。
この人、なかなかの美人ですよね。
美人がジャズをやる…しかもそのジャズが、男勝りの元気のいいジャズときた。
フン、何だそんなもの、と思ってしまう性格なので、
この盤にも触手が動きませんでした(この前作の「When October Goes」は買ったのだけど、何となく楽しめないので売ってしまった)。
いや、それがなかなかどうして良い曲揃ってるじゃないか。
「Caravan」「Take Five」あたりはさすがに新しさを出そうとアレンジも凝っていて、これがある種不評を買っているみたいだけど、結構楽しいじゃないか。
「Ojos De Rojo」「Salve Salgueiro」などのアップ・テンポの曲に、彼女の凛々しさを感じる。力強いタッチの中にもしなやかさがあって、非常に心躍る。
School Days」にも茶目っ気を見せ、ちゃんとエンターテイナーの面も見せ(言わずもがなですな。学生時代です。最後にあのフレーズが出てくるのだが、そこはむずがゆい気分になるな笑)。
「Lesson 51」は多重録音なんかしてみて、何と言うのだこれは、タンゴ的、と言っていいのか、この曲がとても良いスパイスになっていると思う。アコーディオンが凛々しく歌い、エレピの音色に路地の向こうの哀しみを感じ取る。
ぼくは最後の「Take Five」が一番感じましたね。5拍子なんだけどちょっとタメをつくるところが気持ち良い。ここらへんは新しい感覚だ。
全体にわたって山中千尋はもとよりベースのラリー・グレナディアとドラムスのジェフ・バラッド、ロドニー・グリーンが素晴らしい。特にジェフ・バラッド、最高です。彼のためにも前作を手放さなければよかった…
 
最近レーベルを移籍したそうで、新譜も出ている。新しい面を出そうと色々工夫なさっているみたいで、やはり不評を買っているという点も否めない。
が、それだけ期待されてるピアニストなんでしょうね。美人だしねぇ。
まだ若いんだから。今のうちに完成しちゃったらつまんないでしょう。この盤も全体通してみるとちょっと散漫な気もするけど、聴くべきものはあるし。
何と言ってもこれからの「山中千尋」という人を考えたときに、この作品が無くてはならないものであれば良いのです。
 
やや、でもこのCD、結構売れたみたいだなァ。ううむ、どうなんだ。
何だかんだ言って、皆買ってるんじゃないのか!?