MUSICMUSICMUSIC「ONE TWO FREE」

これ良いですよー。帯には「新世代ピアノ・トリオ」とあるけれどまあ特に新しい!と小躍りするわけではないぼくの耳。ところが心地よいビートとリズムとメロディに小躍りするぼく。
Spice of LifeはHoob Records(http://www.spiceoflife.co.jp/hoob.html)が自信を持ってリリースしたと思しきファビアン・カラダール(p), ジョセフ・カラダール(b), マイケル・エドルンド(ds)のトリオ。このSpice of Life, inc.というHPではベーシストの森泰人が主体となって「スカンジナヴィアン・コネクション」をはじめさまざまなレーベルを擁し独特の音楽を届けてくれる。しかもほぼ全曲試聴できるので、嬉々として利用させていただいている。
で、この「ONE TWO FREE」も試聴したのだが、なかなかと思いつつも購入までには至らなかった。某所にて中古で見つけたので良いじゃないか、と買ってみて改めて聴いてみるとこれが良いんですわ。
3人とも既存のイディオムをしっかり継承しているので強烈な「新しさ」は感じない。ただそれだけに成熟した演奏が聴けるし、ビートのとりかたやテーマ運びに洗練されたアーバンな質感が現代的な温度と同時にある種の人懐こさ、都市性を感じさせて、本当、ヘンな話、胸がキュンとなってしまうのだ。ああ、来る、来るぞ、おおっ、来た!って感じでもある。もうよろこびのゾクゾク感でいっぱい。それは新しいとか古いとかの尺度ではかるものじゃないよね。ただアルバム全体から感じるピアノ・トリオというフォーマットとしてのスマートさ、これはやはり「新世代」なのかも。「E.S.T.」あたりと肩を並べる感じなのかな。雑食性と構築性。そんなわけで気になったら試しに聴いてみてください。最近このレーベルからペーター・ノーダールの新譜が出たんだなぁ。そっちも気になるなぁ。