Anders Persson Trio/in person


最近注目しているSpice of Life(http://www.spiceoflife.co.jp/)はScandinavian Connection(http://www.spiceoflife.co.jp/scandinavian.html)からの一枚。写真よりも鮮やかで凛としたジャケットと聴きやすい演奏で購入。
かなり懐の深いトリオで、ビル・エヴァンスあたりをよく咀嚼しさらに北欧フレーヴァーを効かせつつ、力強く破綻の無いタッチとメロディックなハーモニーを主体とした丁寧な演奏。初心者から玄人まで幅広くカヴァーできる安定感を持っている。最初はあまり刺激が無いかなぁとあまり聴かなかったのだけど、腰を据えてじっくり聴いてみるのが吉と出る。
リーダーのアンダーシュ・パーションはスウェーデン生まれ。彼のオリジナルが特に良い。10曲中4曲がそれなのだが、冒頭から軽快なる「In Persson」をはじめ耳に残る。ことに最後の「Milonga」とはアルゼンチンタンゴの発祥地ブエノスアイレスでタンゴなどを踊る場所という意味だそうだが、何とも形容しがたい美しい演奏。躍動感があり、哀愁があり、血の通った思いが込められている。全体的に大人しい(悪く言えば地味な)トリオなんだけど、こういう曲を聴くとハッと、トリオはなんて素晴らしいんだ!と改めて気づかされる。酔いしれるリリシズムである。