サントリースペシャルリザーヴ3杯目×ホテル・ルワンダ

ホテル・ルワンダを観てやっちゃいけないのは、「自分は今までルワンダのことなど何も知らなかった。よし、小さなことでも出来ることをひとつひとつやっていこう」って思っちゃう。ことだと思った。
何も知らなかった、と言ってしまうのは事実だしだからこそ簡単なんだけど、起こっていることが人間存在の原理に触れている以上、知らなかったはずが無いのだ。ぼくらはすべからくそこで(ここであそこで)起こっていることを知っているし、知っていたはずなのだ。『感動と信用は甘い菓子だ。だからあんまり食うな』という言葉があるが、ルワンダの悲劇にはからずも落涙しそうになり、感動さえした。でも我々はそこにおいて今一度、冷静に自らの心を精査すべきであろう。そこに失望と諦念があっても、いやだからこそ、我々は己の無力さと無為さを恥じることは無いのだと。我々は我々自身の小さな世界の、より小さな物事に心を動かされ、涙を流すべきなのである。より小さな存在を愛で、慈しむべきだ。菊地さんと大谷さんがラジオで、ホテル・ルワンダをネタにして二人で笑っていたが、そういう生き方はタフだと思う。今の我々にとってより切実に必要とされているのは、銃の前に立ち塞ぐタフさではなく(それはわりと簡単なことだ)、突きつけられた銃口のナンセンスさを笑ってしまえる種類のタフさだ。もっと細部に向かっていくべきであろう、ただ街のストリートをだらだらと歩いているだけなら。我々は己の無力さと無為さを恥じてはならない。もともと力を持っている人間なんていないのだから。我々という語が多すぎるし、自分の文体に辟易する。おれの左手にユーモア線、来たれ。
ギター
これがまんま答えだとは今は思わないけど、当時はよく聴いた。発売してもう7年以上経つのか…信じられない。「ギター」この曲にも東京の匂いを感じる。濡れたアスファルトに、空の光が淡く反射して。この7年で貴方は何を得ましたか?何を失いましたか。